会社だって積み立てはしてる?
前のページを読んだ人の中には,こんな疑問を持った人がいるかもしれません。
「会社だってバカじゃないんだから,退職金の支払いのために前から積み立てをしてるんじゃないの?」
スルドイ!
たしかにまっとうな会社なら,退職金の支払に備えてお金を積み立てているもの(まっとうでない会社も多いんですが…)。
「資金が準備してあるんだったら,支払いが増えたってだいじょうぶでしょ?」
ところが,そうは問屋がおろさないのが退職金なんです。
退職金の支払いに備えて,多くの会社は社外の保険商品などを利用して資金を積み立てています。
毎回いくらずつお金を積み立てるかを計算する際には,「予定利率」という数字が使われます。
「Aさんが退職するまであと○年で,退職金は○万円。積み立てている間,お金は運用で平均して○%の利息がつくから,毎回の積立金は○円でOKだね。」
この「○%の運用利息の見込み」が,「予定利率」というものです。
もし運用利息がたくさんつくと見込んでいれば,積み立てるお金は少しで済み,逆に運用利息があまりつかないと見込んでいれば,積み立てるお金はたくさん必要になります。
簡単な理屈ですね。
今は「超」が付く低金利時代ですが,ほんの一昔前はびっくりするくらい金利が高かったことを覚えていませんか?
今だと考えられないですが,「一昔前」に作られた退職金制度では,1年に5.5%なんて予定利息の保険商品で積立がされていたりするんです。
ここでちょっと試算してみましょう(数字が苦手な人はガマンしてください)。
毎月1万円ずつ40年間積み立てて,その間5.5%の年利で運用されたとしたら,元金の480万円は,実に約1,740万円に増えます。
一方,運用利率がもし年1%だったとしたらどのくらい増えると思います?
元金の480万円は,約590万円にしかならないんです!
40年というのは,20歳で入社した従業員に60歳の定年時に退職金を支払うために積み立てる期間に当たります。
1,740万円の退職金を支払うつもりで積み立てていたのに,運用環境が変わって実際には590万円しか積み立てられてなかったらどうします?
差額を会社が自腹を切って払うしかありません。しかも退職者がたくさんいれば,その人数分の差額を全部。
「積立をしているからモンダイない」
って言えないのが退職金問題なんです。
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